生きる
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2007/12/07
- メディア: DVD
- 購入: 6人 クリック: 51回
- この商品を含むブログ (90件) を見る
僕は時々ふっと自分が死ぬ場合のことを考える。
すると、これではとても死にきれないと思って
居ても立ってもいられなくなる。
もっと生きているうちにしなければならないことが沢山ある。
僕はまだ少ししか生きていない。
こんな気がして胸が痛くなる。
『生きる』という作品は、そういう僕の実感が土台になっている。
この映画の主人公は死に直面して
はじめて過去の自分の無意味な生き方に気がつく。
いや、これまで自分がまるで生きていなかったことに気がつくのである。
そして残された僅かな期間をあわてて立派に生きようとする。
僕は、この人間の軽薄から生まれた悲劇を
しみじみと描いてみたかったのである。
黒澤明
友人に薦められて黒澤明デビュー☆主演志村喬。胃がん告知(=死の宣告)を受けた主人公が死を意識して初めて自分の人生が何もないものであったことに気づかされる。「みいら」とあだ名されるほどの、まるで生きていない人生。そこから必死になって生きる主人公。『七人の侍』と並んで黒澤映画を代表する作品(らしい)だが、いかんせん他のを知らない…。ただ白黒のかなり古い映画であるのにもかかわらず、思わず魅入ってしまう展開、カメラワーク。当時日本の首都が東京であることも知らないようなアメリカでクロサワの名はみな知っていたとか。その衝撃を感じられるレベルにないのがもどかしい。たくさん見て勉強しよう。