ある喫煙者の家庭のお話。

親父のがん治療に関してリサーチするよう母に命じられた。
http://www.medinet-inc.co.jp/yom-t/
新聞に載ってたからってすぐほいほい「これだ!」とか言わないでほしい。と言っていてもしかたないので詳しく見ると、治療費があほほど高い上に保険対象外。こんなのやったらわたし大学行ってられないよ。それに親父ってもうけっこうやばいがんらしいからこんな治療して意味あるのかなぁ。まぁ抗がん剤治療で毎日嘔吐してみるみる痩せていくの見てたらわらにもすがりつきたくなる母の気持ちはよくわかる。でも親父は家族全員、俺でさえ物心ついた頃から「タバコはやめろ」って言い続けてきたのにとうとうやめなかった。タチの悪いことに、やめたと嘘をついて影でコソコソ吸っていた。今流行りの薬物中毒の人となんにも変わんない。どうしてそんな人のために母は身を削ろうとしているのだろう。自分でがんになるってわかって、それを覚悟の上で喫煙しているのではないんですか?喫煙者さん。覚せい剤やったら、頭おかしくなるのと同じように、たばこ吸ったらがんになるんですよ。で、そのリスクを承知で喫煙しているのに、いざがんになってひーひー言いながら人に迷惑かけるのはなにか違うのでは。どうせ今この場はしのげても、転移してるんだから、また悪化するのでは。無駄な金使う前にぽっくりおっちんでもらった方がこっちとしてはありがたい。それでも母は必死で父を看病しているようなので、こんなことは言わないでおいている。それに、俺が病気になって死にかけた時はそれなりに心配してもらったわけだから、その最低限の義理は。でもこんな家庭の状況じゃ楽しい夏休みもまったく楽しくない。家はこれでもかってくらい沈んだ空気で、いたくもないが、俺が家を出ていると母は一人になって、鬱でもノイローゼでも平気でなりそうな感じなので、閉じこもって一緒にいてやるほかはない。くそ、だからたばこやめろって言ったんだよ。