十月蝿

五月蝿と書いてうるさいと読むのは携帯の変換を日々繰り返している我々携帯世代なら周知のことだろう。書きには弱いが読みには強い。
そんなことはどうでもいいよ。巨大バエが部屋にいて勉強にならん。ブンブン五月蝿い。いや十月蝿い。
先日,予備校の廊下で歯を磨いていると何やらブンブンと嫌な音が聞こえてきた。しかしその姿が見当たらない。ふと目線を下げてみると,果たして奴はそこにいた。見たこともないような大きさ。まさに便所バエ。ブルー銀バエとでもいうべきか。しかしマヌケなことに奴は仰向けになって身動きがとれなくなっていたのである。亀かwその光景があまりにおかしかったのでしばらく様子を見ていた。羽根をバタつかせ手足を広げたり閉じたり。しかし返らない。授業があったのでそのままにして僕はその場をあとにした。
数時間後,授業の終わった僕は気になったのでもう一度その場所に来てみた。奴は手足を完全に閉じ,一回り小さくなって動かなくなっていた。そう死んだのだ。驚いた。え,それで死ぬの?自分で仰向けになって数時間して死ぬ。なんだそりゃ。セミ級の生命力のなさ。
トブモノは概して生命力がない。