ゆく河の流れは絶えずして…

物事は日々移ろいでゆくもので,僕たちは絶えずその推移に評価を与えている。片思いが両想いになれば嬉しいし,その反対は悲しい。だけど難しいのは評価する側の意思なんてお構いなしに変わっていってしまうこと。人間なんて本質的な部分ではみんな自分本位なんだから,評価する側の意思なんて考えない。考えようとしたって,変わろうとしてる時は誰だって必死だから,そんな余裕はない。後になって死ぬ程後悔したってもう後の祭。相手の心にぽっかり穴を空けて,逃げて行く。fade outという不文律の叫びこそ,人間が創った言葉なんてものよりよっぽど響く。でも時間が経てば別の代替物が土足で僕らの内側に忍び込んできて,いつの間にかちゃっかりと,心に空いた穴を埋めてしまう。そうして周りと同化し,すぐ次の穴が空いて,僕らの心は休まる暇がない。